天然皮革(本革)の家具
高級感のある「本革」をいつまでも大切に
本革の家具は主にソファやチェアになりますが、やはり天然の物なので、木の場合と同じように、まずどういう種類の動物を使っているかの部分で性質や価格が異なってきます。そして、その加工や仕上げ方でもやはり違いが出ます。
動物の種類はやはり牛が一番多いのですが、同じ牛でも、生まれてからの期間や雄か雌か、雌ならば子牛を産んでいるか、雄ならば去勢しているか、などによって質のランクが決まります。かわいそうな話ですが、生後間もない子牛ほどより質が高いとされており、最上質のものがカーフスキンと言われる生後6ヶ月以内の子牛です。ここで質が高いというのは、薄くて軽く決めが細かくてしなやかな事を指します。
加工には、スエードやベロアなどの起毛する場合と起毛しないで表面に型や皺をつける場合とがあり、ここでテイストが分かれてきます。
仕上げは、木のオイルフィニッシュにあたる素上げからポリウレタン塗装のような顔料仕上げなどがありますが、更にグレージング、メタリック仕上げなど革特有の表面仕上げがされる場合もあります。基本的には、どのくらい厚化粧するか、化粧の雰囲気をどう変えるかという事で、この段階でどの程度天然の素材感を表面に残すのかが決まります。
本革は取り扱いやお手入れが大変です。水や熱、日光に弱いので、それらから常に避けて置いておくようにすること。水などがついた場合は、すぐ拭き取って部屋の風通しをよくして自然乾燥する。決してドライヤーをあててはいけません。熱などで一旦変形してしまうと、お手入れでは戻りません。(職人さんによる修復という方法はありますが)
保護や硬化を防ぐためのクリームを年一回くらい塗っておくと水や光の対策になります。注意したいのは、ちゃんと専用のクリームを使わないと、他のものだとかえって傷めてしまいます。表面にホコリを残しておくのもよくないので、隙間の部分を含めて掃除機でしっかり吸い出しましょう。
お手入れは大変ですが、あまり気にしすぎず、木の時と同じように長い時間の中で多少は仕方がないと思ってつきあう気持ちが大切です。手のかかる子供ほど可愛いのと同じで、うまく手入れができれば嬉しいですし、失敗して跡が残っても一緒に暮らした証として、少しずつ変わっていく革の色合いとともにその変化を楽しんでいければ、他の家具では味わえない最高の宝物になります。