家具店・家具屋

家具店・家具屋

家具店・家具屋の進化と退化

家具店というのは昔はどういう所から出てきたのでしょう。もちろん、いろんな出所があるのですが、日本ではもともとは、家を建てる際に、一緒に家具も造作していました。つまり大工さんが一人一人に合わせてこしらえていたんですね。壊れたらそれを大工さんに修理してもらい、長く長く使われていたようです。

そして、同じようなものを作っているうちに、大工さんの中に、予め作っておいて家を建てた人や修繕できなくて新しい物に替えたい人向けに販売をする人が出てきます。これが家具屋さんの始まりの形の一つのようです。比較的近代に近い時代でも、家の建具を製造する会社が、事業の一環として家具を製造したり、製造した家具の販売を始めたりと、似たような展開というのは見られています。やはり建築物と家具というのはとても近い存在なんですね。ヨーロッパの歴史でも、全てのデザインは建築に繋がるという発想でデザインの発展が見られ、家具のデザイナーとしても名を馳せた建築家がたくさんいます。

しかし、その後、人口がどんどん増加し、大量生産・大量販売が必要になってくると、家具を作る人、その家具を売る人はそれぞれ専門家が必要になってきました。そして、家具メーカーと家具店、さらには間をつなぐ卸業者も出てきました。最も家具店が多かったのは1980年代で、日本全国に3万店以上の家具店がありました。

では、現在家具店は全国に何店舗あるでしょう?1980年代には3万店以上あった家具店も、住宅着工の減少、バブル崩壊の影響、さらには2008年の大不況を経て、現在ちゃんと稼働している家具店は1万店を切っています。その一方で、一店あたりの面積はどんどん大きくなっています。つまり、少数の企業による寡占化が進んでいるということですね。

このように激変する家具店の流通ですが、ただお店が減少しただけではなく、大手を中心に店舗形態にも変化が生まれています。